2010年11月08日

東京赤坂のギャラリー小川で「ガラスの卵」オリジナルプリント展示販売

このブログの10月13日に紹介した写真作品「ガラスの卵」が東京赤坂のギャラリー小川詳細MAP)で展示される。

今日から11月13日(土)まで行われる「アトリエみさきハンドクラフト展」に参加し、作品タイトルは『1993 Egg』だ。

「アトリエみさき」は押し花などハンドクラフト作家の竹内美佐子女史が主宰している。
ハンドクラフト展は、竹内美佐子女史と知人のコンテンポラリーキルターとして活躍する佐藤隆平氏、銅版画の服部まさ子女史のコラボレーションだ。今年で14年目。季節柄、楽しいクリスマス・デコレーションもあり、心温まるハーモニーに満ちた会場なのである。

今回の展示は、友人である佐藤隆平氏の紹介、また竹内美佐子女史のご協力によって、ナンバーとサインが入ったオリジナルプリント11カット(ポストカード大と額装3種の計4種)限定110枚を展示販売する。

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Photo≫「1993 Egg」オリジナルプリントとガラスの卵。「アトリエみさきハンドクラフト展」は今日から11月13日(土)まで。11〜19時(最終日は17時まで)

お近くへ行かれる方は、是非、会場に足を運んでいただきたい。

安藤州平Webアトリエ


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2010年10月13日

「ガラスの卵」17年を経て信州を舞台に続編を作り始める

我がWebアトリエの「写真ギャラリー」で、ここ2年ほどアクセス数が激増している作品がある。
知人友人に聞くと「ひそかに支持していた写真だ」、またWebアトリエの常連の方々にも「癒される」との評価を頂く。
こちらとしては「コンセプチャルなコマーシャル写真も作ってますよ」という程度で紹介していたのだが…。

それは1993年、南西諸島の石垣島・沖縄・奄美大島、また愛媛県松山にて撮影した「Egg」シリーズである。

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Photo≫卵型の透明アクリルを風景のスパイスとして配置したり、卵の中に結像する風景の逆転像を作品としたシリーズ

作品を撮るきっかけは、ある日、東急ハンズでこの透明アクリルのタマゴと出会ったこと。
以来、数年間、出張の鞄の中にカメラと共に鎮座した。その頃、奄美大島や沖縄、石垣島の仕事が多く、様々な海岸でこのシリーズを撮ったのである。
マニュアルのペンタックス67でポジフィルムを使い、勘に頼る一発撮影。リアルで不思議な映像は1993年頃もCGで簡単に出来た。今日では尚更。しかし、この透明なタマゴを通し風景を眺めると、そこには現実の摩訶不思議な世界が出現したのだった。

作品制作の概略はさておき、8月頃からポストカードを作り、仲間に配りながら感想を聞くと、上々な手応え。

そこで、先月、17年を経て「ガラスの卵」続編を信州を舞台に作り始めることを決意。
透明アクリルの卵は、撮影で傷だらけになったので、信州へ移住する前に松山の呑み仲間にプレゼントしてきた。
今回の作品作りはデジカメで行うので、透明度と卵の中の結像のレベルを高める必要がある。そのため光学ガラスで卵が出来ないかと専門家に相談、特注した。

この三連休、各地でテスト撮影を決行。

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Photo≫「ガラスの卵・続編・信州」テスト撮影@/長野市の善光寺本堂にて

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Photo≫「ガラスの卵・続編・信州」テスト撮影A/軽井沢の白糸の滝にて

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Photo≫「ガラスの卵・続編・信州」テスト撮影B/同じく軽井沢の白糸の滝にて

ご覧の通りまだまだ時間が掛かりそうだ。
なかなか難しく、勘を取り戻すまでにあと何カット撮影するのであろうか…。

安藤州平Webアトリエ


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2010年07月22日

知る人ぞ知る佐久市「川村吾蔵記念館」

確か2000年のことだった。

長野県学芸員懇話会第3回勉強会で、県内の学芸員の方々にミュージアム・プランナーとして講演をさせて頂く機会を持ち、「展示業界から見た博物館展示計画」と題し、業界内の面白い裏話を交えながら、博物館の展示コンテンツ計画と取材・制作・施工について話をした。

そのときに出会った懐かしい知人から職場異動の知らせがゴールデンウィークのころ届いた。
佐久市の田口地区の五稜郭公園に3月30日オープンした「川村吾蔵記念館」へ勤め先が変わったという。

先日、佐久市内で撮影があり、時間を調整して美しい彫刻を見ることで目の保養を―と、訪ねてきた。

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Photo≫とこぞのクリニックと思ってしまう「川村吾蔵記念館」。いやいや良い建物。少々、辛口すぎた

五稜郭公園とは、江戸時代の信濃の小藩・竜岡藩が幕末に築いた五つの稜が星型に突き出ている洋式城郭に、整備された公園である。
北海道函館市に建造された城郭「五稜郭」とともに、当時日本で二箇所しかなかった先進設計概念の城郭だ。

彫塑家・川村吾蔵(1884−1950年)は、同市旧臼田町出身で、主に米国で制作活動をしたため、日本であまり作品は知られていないダークホース的な存在なのである。

戦前に米国へ渡りニューヨークなどで彫刻を勉強、フレデリツク・W・マクモニスに師事し、高さ12メートルもあるニューヨークの平和凱旋(がいせん)門・戦勝記念碑など共作、高い評価を得、これらの屋外彫刻は川村作品の神髄といわれている。また、理想的体形の乳牛像を制作し、「牛のGOZO」として全米で有名になった。

太平洋戦争開戦直前に帰国する。
故郷臼田に疎開したが「米国帰り」と後ろ指を差され苦労の日々が続く。終戦を迎え、軽井沢で通訳をしているとき、訪れたアメリカ人に『牛のGOZO』と面をわられ、アメリカ海軍横須賀基地美術最高顧問となった。住居とアトリエを提供された川村は、マッカーサー元帥をはじめ将校などの胸像を制作することになる。胸像はその他にヘレンケラー、友人の野口英世や島崎藤村などがある。

長野県内で我輩が知る川村作の胸像は、上諏訪の千人風呂「片倉館」の受け付け手前の左に建つ片倉財閥として繁栄を極めた二代目片倉兼太郎の胸像で、1930年5月に制作された。片倉財閥とは明治6年(1873年)に長野県で製糸業を興し急成長した財閥で、片倉館は洋風建築の文化福祉施設として昭和3年に建てられた温泉浴場である。

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Photo≫最寄のJR小海線の臼田駅、北にある踏切から見た浅間山。ここから記念館まで、車で5分

ところで、芸術家とは因果な生き方である。

特に戦前から戦中に成長した芸術家は、川村だけでなく先の大戦でいろいろな苦労をしたゆえに、種々のレッテルを貼られるということがあった。特に川村はGHQに支援された一方、米軍に取り入ったとレッテルを貼られ、先にも述べた「ダークホース的存在」の理由は、この辺の事情が影響したのかも知れない。
今考えれば当時の芸術界における光と影であったのだ。

さて、川村吾蔵記念館には旧臼田町に遺族から寄贈された作品が収蔵・展示されている。彫刻は492点で、その内訳は胸像などブロンズ像が47点、石こう38点、木彫は1点があるという。デッサンなど素描は210点、手紙や写真などの資料類も数多くあり、その殆どが収蔵庫に保管されている。

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Photo≫「川村吾蔵記念館」のリーフレット

尚、展示室は撮影禁止でカメラをしまったため、このブログでは紹介できない。なので是非、現地へ足を運んでもらいたい。

「正統な彫刻とはこう在るべきもの」と、納得できる川村作品が堪能できるはずである。

安藤州平Webアトリエ


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2007年09月07日

真田町大日向より台風9号のレポートだが…、骨董を修理しながら夜鍋で警戒!

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Photo≫台風警戒の夜、何故か骨董陶磁器の修理

日付が7日へと変わった。
真田町大日向より台風9号のレポートだ。長野地方気象台から警報という警報全てが出ている模様。我が集落も警戒。警戒状態である。

今回の台風は凄いようだ。信州に帰ってきて一番だろう。

現在、風と雨が凄く、異様な音が集落を包んでいる。
直ぐ脇を流れる神川からは「ゴーゴボゴボ」と、明らかに大きな岩が流れている地響きのような音が…。
谷を渡る高圧電線は、強風に身を任せ、不気味な風切り音というか、
幽霊が登場するテーマ曲を奏でる尺八の響き。
軽井沢では倒木が男性に直撃し亡くなった。県内での死亡者は、この台風で初めてである。ご冥福を申し上げる。

さて、今後、どうなりますやら…。

このような夜は、神経を使いながらじっと待つしかない。でもって、何故かこうなった。

夜なべをしながら、骨董陶磁器の修理なのである。
古伊万里の骨董陶磁器の中央にある2つの紅白のチューブが、エポキシ樹脂の2液式接着剤、その下のオレンジのチューブは漆、その右隣には金粉。
エポキシ樹脂接着剤に金粉を練り(一般的には砥の粉を混ぜるようだが、使い仕上げとなる金蒔絵との一体感を考え、私は金粉を練り込んでいる)、割れた部分に流し込んで造形を作る。紙テープで成形し、乾燥させる。そして、固まったら紙鑢で形を修正し、器のフォルムに一体化させ、仕上げに漆を塗り、金粉を蒔絵する。
一昼夜、乾かすと、骨董陶磁器の「金継ぎ」若しくは「金直し」といわれる修理が完成する。このような作業に没頭していると、台風襲撃が「自然のこと」と冷静になれる。

ところで、我がアトリエのある大日向集落は、明朝、どのような運命となるのか。

気になる。

安藤州平Webアトリエ




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